カジノゲームの中でもバカラは非常に控除率の低いゲームとして知られています。
日本の公営競技やパチンコ、パチスロなどでは20%から30%程度もの控除率を取られてしまいますし、TOTOなども含む宝くじでは実に50%以上もの控除率になっています。
これはもはや真っ当なギャンブルとは言い難く、率直に感想を言えばぼったくり以外の何物でもありません。
国内ではカジノを目の敵のように考えている人も少なくないようですが、ぼったくりというか金を不当に失うことが問題だと考えるのであれば、ここに挙げたような既存の商売を取り締まるとか多少なりとも改善を図るようにしたほうがよほど健全で前向きなのではないかと思ってしまいます。
それはともかくとして、カジノのバカラでの控除率は、しっかりと考えて賭ける限りは実に1%台と極めてわずかな数字です。
ただしこれはしっかりと考えて賭ける場合の話です。
そこのところを少し掘り下げて考えてみましょう。
バカラには細かいところで配当の倍率に関してローカルルールが設けられていることもありますが、標準的なものにおいては、バンカーに賭けて勝てば1.95倍の払戻しである一方、プレイヤーに賭けて勝った場合には2倍の払戻しが受けられます。
引き分けも存在しますが、これはどちらに賭けていたとしても1倍返しになります。
それで、それぞれの勝率はどれくらいかというと、これも何デッキのカードを使うかによってわずかに変わってはきますが、やはり標準的なもので考えると、バンカーの勝率は約45.9%、プレイヤーの勝率は約44.6%、引き分けが9.5%となります。
これとそれぞれの倍率から控除率を計算しますと、式は省きますがバンカーに賭けた場合は約1.06%、プレイヤーに賭けた場合は約1.25%とはじき出されます。
このように、公営競技などとは比較するのも申し訳ない気持ちで一杯になるくらいに小さい数字になるわけですが、数字としてはバンカーとプレイヤーとで決して等しくはないことに着目しても良いでしょう。
確率の話だけをすれば、プレイヤーに賭けるのは馬鹿であり、ただひたすらバンカーに賭け続けるほうが有利ということになるわけです。
しかしその差はわずかに0.19ポイントに過ぎませんし、もともとどちらも極小の数字であること、さらには人間という生き物は確率論だけで賭けが楽しめるわけでは決してないという歴然たる事実を考えれば、プレイヤーに賭けることももちろんあって構わないでしょう。
ところが、バカラでは引き分けに賭けることも可能です。
引き分けに賭けていて実際に引き分けた場合、9倍になって返ってくることが普通です。
かなり大きな数字に見えますが、控除率としてはどうなのでしょうか。
計算してみるとこの場合の控除率は実に14.3%にも上ります。
これでも公営競技と比べると低いのですが、バンカーかプレイヤーの勝ちに賭けることに比べると実に割りの良くない賭けであることが分かるでしょう。
このような賭けは、ここぞというようなときにあえて行うということはあっても、高頻度で何回も行うべきものではありません。